■EWI3000m改造レポート
Last update:06/11/19
禁:無断転載
AKAI EWI3000m改造

EWI3000m近影

■はじめに
AKAI Professionalが渾身の勢いで世にはなったウインドシンセサイザーEWI3000はフルデジタル(?)EWI4000sがでた後も、EWI3020系という形で生き残っており、コントローラの方ではコネクタ等のアッパーコンパチビリティが確保されています。賢く生きるにはEWI4000sに行くべきでしょう。でもこっちはそれほど賢くないのでせいぜい悪あがきさせてもらいます。ということでEWI30x0系への投資は怠っておりませんでした。
先日2台あるうち1台のEWI3000mのバッテリーが上がってしまいました(とほほ…)。ここはマニュアル通り赤井さんへ修理に出すべきです。しかし、ここにあまのじゃくが一人。ウィンドシンセの演奏技術に関しては、JWSAな人たちの方が上でしょうから、ハード、しかもコントローラじゃなくて音源改造で差をつけてやろうと。まずはバッテリのソケット化からします。 この際、せっかくなので内部のアナログ回路ブロックの改造まで手を伸ばそうかと思います。 なお、この情報に改造等の行為を行われ、損害を負われたとしても当方は一切関知いたしません。
■バッテリソケット化
実は半田ごとを使える人なら言うに及ばず、たいしたことはありません。3Vのリチウム電池ソケットと取り替えるだけです。元の電池とタイプが違いますが、CR2032だと容量が足りないので多少気になりますが、今後交換できるのでいいでしょう。気になる方はもとのBR2330クラスのソケットをつけてください。でもSRAMの値保持ですから、アナログ系に何かしらの改善があるわけでもないはず。 端子の位置があわないので、配線をちょろっとのばしてきてやる必要があります。 使用した部品は、
・TAKACHI BCR20V4 1個
・配線材少々
まあ、知れてます。あとニッパとペンチとはんだごてと半田。半田は鉛フリーは融点が高く制御が難しいので、個人では使わない方がいいでしょう。Snがひげを作ってショートするという噂もありますし。
まず、リチウム電池の端子を半田ごてで加熱しつつ、ペンチで引っ張ります。ぽろっと一方の端子が取れます。 同じ感じでもう一方も外します。ぽろっとこんな感じで取れます。

外し終わったらソケットの半田付けですが、とりあえず一方の端子は固定の意味をかねて基板に半田付けします。もう一方はリード線で半田付けします。これだけで終了。完成イメージは次の通りです。

半田付け甘いよ!何してんの!、恥を公開しているだけかorz
■アナログセクションの改造
まあ基本カップリングコンデンサから変えましょう。ニッケミのAS?なんだか変えなくてもいいような気がするけど、経年劣化してそうだ。実はこの電解コンデンサをはがすのに一苦労。まず軽く半田を新たに乗っけて十分予熱し、それから半田吸い取り器でさっくり取っていく。厚い銅配線につながっているところは半田ごての出力が足りなくてなかなか取れない(ToT

貼り替えた図
470uFは背が高くて困る…使用電解コンデンサはニチコンのFineGoldクラス。RSではこれが一番いいクラスらしい。KNかなにかもう1ランク上があるらしいが、入手出来なきゃ意味がない。
ヘッドホンとEXT-IN,LINE-OUTの電解コンデンサを全部貼り替えました。
・交換対象
ニチコン(AS)?470uF/16V,85℃品
ニチコン(AS)?22uF/16V,85℃品
全部貼り替えろよ、とか言う突っ込みは無しの方針で(^^; プリント基板にダメージを与え気味なので怖いんですよ…
■オペアンプ換装
全部が全部のオペアンプを換装できればいいのですが、経済的に時間的に手間的に、いや手間的にしたくない(^^;ので、出力段というか最終アンプだと思われるJRC 4560Dはとりあえずソケット化する。 JRC4560Dは、出力向けに400オームの負荷を駆動できるらしいので、うっかり変なオペアンプを繋ぐと発振しそう(^^;出力振幅を20Vpp取れるので、うっかり5532とかにするとやばそう(5532にはいいアンプだけど、入力にアンチパラレルダイオードが入っていて振幅リミッタになるはず)。GBWが10MHz、SRが4V/usを超えて、電流が取れそうなアンプ…ということで、一応OP275をRSで発注する。GBW:9MHz,SR:22V/us あと、CEM3374(VCO)のデータシートを読んでいると、この石、パルスは外のオペアンプで作ることになるらしい。そこのオペアンプはEWI3000mの音色を劇的に変えるに違いないと推測し、そこもソケット化。使っているオペアンプは三菱5218Aという汎用オペアンプ。データシートみたら、回路が載っていて、オーソドックスなBJTのオペアンプ。いわゆるレイセオンの4558系オペアンプ。これを交換しましょうと。 いや、音源周りのオペアンプは全部変えればいいのだろうけどサー、OP275って一個400円くらいするので(^^; あとオペアンプ外すのってこれまた結構大変。例によって半田をピンに少し乗せてその上で十分予熱しないと半田吸い取り器で全然半田が取れないです…

ソケット化してOP275化したEWI3000mのメインボード。
・感想
で、音はというと、パルス系の音が変わった。かなり倍音が増えた感じ。プリセットでもうばりばり音が変わっていて、こりゃちょっと手を入れないと厳しいかな、とも。
あと、膨大な量の自己満足が得られました。いやー前からやりたかったからなー。
オペアンプはOP275、JRC7018、TI TL072、JRC4580DD、三菱5238Aで試しました。個人的には三菱の5238Aが意外と良かったです。でも一番音が聞こえてきたのはOP275だと思います。現在全部OP275にしています。


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