■EWI3000m解析レポート
Last update:06/11/10
AKAI EWI3000m解体レポート

AKAI Professionalが渾身の勢いで世にはなったウインドシンセサイザーEWI3000は現在EWI3020系という形で生き残っており、コントローラの方ではコネクタ等のアッパーコンパチビリティが確保されています。一方音源のEWI3000mとEWI3020mは双方アナログ音源で、出音にかなり違いがあり、その元となる音源チップが何であるか以前から気になっていました。私は以前よりEWI3000mを所有いますので、これを機会に中をのぞいてみることにしました。なお、この情報に改造等の行為を行われ、損害を負われたとしても当方は一切関知いたしません。

■基盤全体像
メインの音源基盤です。左下側から真ん中に掛けてアナログシンセの心臓部のVCO/VCF・VCAチップが鎮座しています。左上はヘッドフォンアンプ等のアンプ系がくまれていて、右側は基本的にMIDI信号とのやり取りを含む制御チップが載っています。これ以外に小型な基盤はあと2枚あります。LCD・パネル用ですね。
MIDI信号処理にはMB89255というチップが使われているようですが、詳細は不明です。8255の互換チップのようですね。制御はNECの1CHIPマイコンですね。uPD78C10という奴でしょう。10はROMLESSらしいので、EPROMにつながっているんでしょう。たぶん同シリーズと思われるMB89210は富士通の8bit1CHIPマイコンだと思います。なおEWIの制御プログラムはEWI3000m V1.3とROMに書いてありました。



■音源部
右側順にからVCOチップ(SSM3374)、2チップ挟んでVCF/VCAチップであるSSM3378と並んでおり、これが上下2列になっています。SSM3374は後述しますが2VCOのICなので、2*2で4VCOとなります。VCF/VCAチップはそれぞれ1つずつ入っているICなので、2VCF,2VCAとなります。
音源心臓部のチップのおおまかな仕様及び使われたシンセ等を示します。一応データシート等を確認しながら書いてますが、間違いが有ればぜひメール等でご連絡ください。
CURTIS ELECTROMUSIC
・CEM3374 Dual VCO
・鋸波および三角波出力VCO
・クローマポラリス・Oberheim Expander
・CEM3378 Voltage Controlled Signal Processor(CEM3379と兄弟チップ・CEM3379はVCFとVCAは同じ・入力ミキサの代わりに2チャンネルの電圧制御PAN内蔵)
・カットオフ周波数でレゾナンスか持続したビブラートを掛けられる4ポールローパスフィルタ
・最終段VCA
・機能的にCEM3379と同じ音色のフィルタと考えられるCEM3379はENSONIQ ESQ1, SCI PROPHET-VS等ほぼアナログシンセの終焉期のものでこれらの機種におけるオシレータはいずれもDCOである。

CEM5508H OCTAL SAMPLE & HOLD
・CV用サンプル&ホールド?

PMI SSM2300P 8x sample & hold multiplexer

■バックアップ用バッテリ関連

Panasonic製のBR2330という電池です。半田付けされてませんでしたが、圧着されているので交換には半田付けが必要。これで交換が必要になっても安心?

■参考サイト
K.T's HomePage:アナログシンセサイザの情報の総本山のようなところです。
CEMS Circuits electromusic IC data and chips:データシートを参考にさせていただきました。